孤独のメッセージ
僕の好きな音楽は楽しいこと。笑えること。口ずさめること
そこに怒りや政治的・宗教的な主義主張は存在しない。
どんなに好きなアーティストでもステージからおもむろに「・・・・反対」とか「打倒・・・・」なんて声だかに言われたらやや引いてしまう。
先日あるライヴにて僕らは出番前にあるアーティストのステージを聴いていた。
聴いていたらだんだんと気分が悪くなって来た。
そのアーティストは歌や楽器演奏もほどほどに自分の主張を叫ぶ始めた。
他のお客さんもやや冷めて聴いていた。
「自分の食意識(菜食主義)」「仕事に対する不満」「世の中に、体制への理不尽」などなど。
「怒り」と称してギターにマイクに叫んでいたが、僕の心には一つも届かなかった。それはそれも音楽の表現の仕方だとは思わないからだ。
それはただの自己満足で、部屋で一人で叫んでよ、ということだ。
少なくともどんなステージであってもマイクを通したら影響はある。人が聴いてくれている。音楽をだ。
昨年末に佐野元春のライヴを観た
素晴らしかった数々のメロディーにメッセージがさりげなく語られていた。
粋だ。言いたいことも押し付けではなく主張でもなくあくまでも聞き手に判断させるがごとく。
「マニジュ」というアルバムはまさに今のメッセージを詰め込んだ傑作だ。
DYLANの「血の轍」というアルバムのアナザーサイドを聴いた。
ラブソングの中にもメッセージがさりげなくある。
JOHN LENNONは平和主義者ではないと思うただのロックン・ローラーだ。
愛と平和の人ではないと思う。
そして僕は、ただのロックが好きだ。こういう音楽が好きだ。
楽しい音楽とはただ、大騒ぎの宴会ソングじゃあなく、楽しい中にも粋なメッセージがある。