Diamond Planetの向こう側

NOAH VOICE - 浅草六区SHOW -

ダイアモンドプラネット

夏の終わりにトミーさんから届いた便りは、「僕は元気だよ!」という近況か、「いやあ苦労したよ」なのか、はたまた「自信作ここに完成」なのか、

いや、そのどれも当てはまらない、いつもの普段着の僕や僕らが知っている、等身大のシンガーソングライター井上富雄がそこに存在した。

しかしながら、間違いなくそれは昨日までの井上富雄とも異なる新しい姿であった。そこに収められたいつくかの作品、ほとんどの楽器を自身で、奏でた演奏。予想を覆すほどの曲たち、いつも以上に多くを語る言葉たち、

まさにここには、等身大の2023の井上富雄が居る。

シンガーソングライターにとっての四枚目は、その後の活動においても重要な位置にあたる。それはロックの歴史が残し記す。

ブルーススプリングスティーン「闇に吠える街」ジャクスンブラウン「プリテンダー」トムペティ「ハードプロミス」など、どれもそのアーティストにとってその後の活動に大きく影響を与える秀作ばかりだ。

ダイアモンドプラネットは、間違いなく井上富雄にとっての重要作品であることは、間違いなく、傑作という名に相応しい名盤がここに届けられた。

 

ある日の下北沢、地下室のLIVEで、次は新曲です、と惜しげもなく歌われた歌たちがようやくお目見えした。本作がレコードならば、A3曲目「ココナツの風」なんて歌が軽くかけてしまう井上富雄の引き出しの多さと、心地よさはどうだろう。

このアルバムの肝になるB4曲目、伝統楽器をまるでどこの国のものなのかわからないくらい曲に馴染ませてしまう。この作品の幅広さ、川の流れのようなアコースティックギターがやはり良い気分だ。

大人のロックを歌わせたら、弾かせたら他にはいないんじゃないかというくらい、残暑厳しい9月の空に相応しい、それでいてアルバムジャケットに想像させられる異次元感はなぜだろう、またもや僕らに自由かい?という問題定義をしているようだ。

やりたいことをやりたいように、まさに自由に心海を彷徨うシーラカンスのようなその歌たちが、僕らに教えてくれたことは?

今、B5曲目を聴きながら、目の前の缶コーヒーを飲み干し、次の駅で乗り換える

疲れたらゆっくりともとへ戻る勇気をくれる作品に出会えた気がする。忙しい毎日だから時々ゆっくりしたい人に送りたいアルバム。

ダイアモンドプラネット、明日はどんな惑星が待っているだろうか、、、

 

 

9月7日発売、ニューアルバム「Diamond Planet」

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