2019.3/24 次のレコーディングの仕込みへ!
不安だらけの初日を終えて、次回予約は1日空けて25日から3時間。
レコーディングだけなら何も日本でレコーディングすればいいのだが、今回の目的の一つに現地ミュージシャンと一緒にレコーディングもしたいと言う思いもあった。
もちろん、そんなこと出来るのかどうかは分からなかったが、NOAHがタイで友達になったピン(タイの民族楽器)奏者のディットさんに一緒に出来たらと渡航前から考えていた。
住まいも整った。初日のレコーディングで状況はつかめた。
さぁ、ディットさんの所へ行こう!
ディットさんは、私達が住んでいるこの街で床屋を営んでいる。
店に入ると、久しぶりのNOAHの顔を見てディットさんは嬉しそうに出て来た。
イスは2台、息子さんのジェームズ君はお客様のカットをしている。
ひとしきり、挨拶と私の紹介を済ませると、ディットさんはNOAHをもう一つのイスに座るように促した。
そう!ここは床屋!
でも、NOAHはカットするだけの髪が無い‥
二入は、慣れた様子でお客と理容師に変身した。
NOAHは、壁にあるリーゼントのカットモデルを指差す。ディットさんも「 OK! 」と言ってケラケラと笑いながら手にはハサミではなくカミソリ(笑)
これが、いつもの儀式らしい‥
NOAHは見事なまでにタイのお坊さんになって行く。
床屋の壁にはピンが2台とギター、チンチャーブが掛けられている。
私が後ろのベンチでキョロキョロしていると。接客を終えたジェームスがサツマイモチップを持ってきてくれた。
私も日本からお土産に買ってきたキットカットをプレゼントすると、ジェームスの奥さんも子供を抱えて出て来た。
可愛い!生後6ヶ月位だろうか?お母さんに促されちゃんと手を合わせて挨拶する。(言葉はまだっぽい)
確か、数年前にNOAHが写した写真ではベビーサークルに入った1~2才の男の子がいたはずだが‥
しばらくすると出て来た!元気な男の子ジェームスJr.だ!5才くらいのヤンチャな男の子。とにかくジッとしていない。これまた可愛い!
ディットさんの奥様にはお会いしていないが、ほぼご挨拶は終了!
NOAHも仕上げにピカピカ剤を塗ってもらい、すっかり神々しくなった。
そうこうしている間にも次々にお客様が来店してくる。とても繁盛している。
が!!ディットさんはNOAHのカットが終わるとおもむろに壁のピンを取り出して1本をNOAHに渡し、演奏を始める。
このピンと言う楽器は4本の弦からなる弦楽器でギターにもビワにも、三線にも、ウードにも似た独特の音を出す。
タイのイーサン地方(タイ東部)の楽器で、このピン(Phin)を使用したこれまた独特なリズムのイーサンミュージックがある。
あっという間にライブ会場へ
ディットさんがピンを演奏し出すと、あっと言う間にそこがライブ会場に早変わり。
お客さんなのか、ギャラリーなのか小さなお店に人が集まる。
いきなりYOKO何か歌えとリクエストがあったので、タイでもカバーが大流行した「すべての人の心に花を」を歌い出す。
ディットさんは、私の歌声を聴きながら即興で合わせてくる。
ジェームスがスマホで映像をとっている。
これが、タイに来て初ライブになろうとは‥
結局こんな感じで、タイでのライブは通算6回くらいさせていただいたが。ライブレポートはまた後ほど。
しかし、ディットさんポロポロとピンを奏でているがこのピンの音色は何ともいえない癒やしがある。
ライブ中にディットさんは、ピンを壁に戻して奥から袋を持って来てゴソゴソと何やら取り出した。
出て来たのは、細い竹が幾重にも重なった日本の笙の様な笛。
この楽器の名前は「ケーン」だと言うと、ディットさんはこのケーンを吹き出した。
「すっ!素晴らしい!」
やっぱり、ディットさんの音を録りたい!
ケーンの演奏が終わった所で、壁のチンチャーブを指差してこの音も聴かせてもらった。
ライヴが一段落して今回私達がレコーディングをしにタイに来ていることを伝える。
と、ここで初めてわかった。ディットさんは簡単な英語もわからない‥
音楽って言葉がいらないからスゴいけど‥
不覚だ!翻訳ソフトもポケトークも通じない様子
これでは、レコーディングスタジオへ連れて行くことも、ましてや、お願いすることすら出来ない‥
息子のジェームス君が私達がレコーディングしていることを伝えてくれたが、ディットさんの反応が全く読めない‥
私の歌を喜んでくれたのはわかったのだが、私達の楽曲製作に興味を持っているのかどうだか‥?
ダメだ、今日は挨拶だけで帰ろう!
ディットさんに参加してもらえる全曲ギターと歌を入れた後なので、頼むチャンスは後1回だ!
次のレコーディングは3/25日、その後3/36~3/30迄 タイの友人と4泊5日で旅行の予定が入っている。
何としてでも、4月の1週目にディットさんとレコーディングしないとこの予定は成立しない。
ディットさんには、「また来るね!」と言ってお店を後にした。
教訓その8
レコーディングとは、スケジュールとの戦いである。