こんにちは、YOKOです!
シリーズで、海外レコーディング出発までの道のりを書いて来ました。
あっと言う間の1ヶ月、と言うより、怒涛の1ヶ月でした。
苦労は承知の上で出発したのですが、今回のレコーディングで得たものの方が遥かに多い1ヶ月。
私のように昭和、平成、そして令和と年を重ねて来た人間にとって、世界の進化の速度がここまで凄いとは‥ アジアの発展途上国は、今や日本を追越し発展し続けている事が痛いほど感じ、日本が1番遅れてしまっている現実に愕然としてしまった。
最新機材に、エンジニアのプロ根性、そして、このタイのお国柄、いつの間にか多くの日本人が忙しさの中で無くしてしまった人を敬う心や、徳を積む心。感謝の心。 とにかくタイでの1ヶ月間、出会った人たち全員が、私達に何をしたら私達が喜ぶのか?この1点だけを考えてくれていたのだから、イヤな気持ちになる訳が無い。
それよりも、自分の心が痛かった‥ この小さな島国で、必死でサラリーマンを続けて来て、この小さな島国で、地位や名誉を求め‥
あぁ、今気づけて良かった。
会社辞めて本当に良かった。
友達のミュージシャン“ディット”は笑いながら言った
「仕事の休み? 無いよ! レコーディングの日程? いつでもいいよ!」
そうなのだ、誰にも縛られず、仕事も休みも自分次第なのだ。
とにかく、ストレスフリー。
長時間労働や時間短縮、もちろん過労死も無いんだろうな‥
スタジオのエンジニア達も、10時から夜中12時までが勤務時間だが、その間仕事がなければ各自お昼など思い思いに過ごしている。
ただ、いざ仕事となると、休憩を取ってと言っても休憩も取らず6時間集中するエンジニアや、mixingの曲が仕上がると次の曲へ気持ちを切り替えるように、休憩を取るエンジニア。どちらも正解!
自分のペースで、限られた時間と戦ってくれる。
Recエンジニアは、少しでも曲を知ろうと日本語の歌詞の意味を訪ねてくる。
私がプロデュースで気をつけている事は、最初に自分のイメージを大雑把に伝えて、各プロの感じたイメージを大切にする事。
エンジニアからジャッジを求められない限り、いちいち細かい指示は出さない事。
これは、日本でも同じ。
他人の想像力は、自分の考えている以上だとわかっているから‥
でも、今の日本人は、正解を求めて来る若者が多くいる。
答えなんか無いのに‥
NEWアルバム“SAPHAN” タイトルはもちろん現地で決まったのだが、アルバムの中の曲“SAPHAN”も現地でNOAHが作った。
サパン=橋(タイ語) ピンを演奏するディットにも、レコーディングエンジニアのギタ君、MIXエンジニアのニン君、トン君にも、「この橋は、人と人とを繋ぐ橋だよ。」 とだけ伝えた。
誰もどんな?などと言う無粋な事は聞かない。
それぞれの心の架け橋の結晶が、この1曲に詰まっている。 ディスクの写真は、パラオ共和国の海に架かる橋。
このサパンという曲を作るキッカケになった、工事中のタイとラオスを繋ぐ橋。そのバンコクから遥か600kmも離れた地へ旅行に連れて行ってくれた、アメ、アナン。
そして、デットのスタジオをアテンドしてくれたエム。
みんなの心の橋が繋がって、この曲が誕生した。
みんなに感謝しかない。
みんなへの恩返しは、この曲を世界中の人に1人でも多く聴いてもらうこと、世界配信はもちろんYouTubeでも英語の字幕を付けて動画配信もして行こうと思う。
この曲を聴いた人たちの心に優しい風が吹く事を願って。
2019,May