土曜日の夕方、収録を一つ終わらせて渋谷へ向かう。ここ数年の渋谷は苦手な町です。何かなければ行かない町、何かというのは音楽、コンサートなんだけど、駅を降りたら一目散で会場へ、、、ストレスを感じる街にいつからかなってしまったのです。
でもこの日は違う、ピースヴィルに向かうからさ、嫌なことは忘れて大好きな人に会いに行く、これが僕らナシゴレンのモットーなんだ。そこにはお付き合いも馴れ合いも、おざなりもない。ただ、気の向くままマイペンライ。
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井上富雄さん、ソロライヴ。一年振りなんだという。会場はビートカフェ、地下室のドアを開けるとやや狭い空間と少しだけ曇った空気。なんだか隠れ屋的な、友達の部屋に招かれた気分。そして、不思議とピースフルな風がそこには流れていた。アメリカンロックが気持ちよく流れる中、ドラフトビールのグラスを片手に今夜の主役の登場を待つ。
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Up up and away,After the dawn,そして、遠ざかる我が家。三枚のソロアルバムが、シンクロする世界、まさにトミーさんの独自のグルーヴがこれでもかとうねるように迫る。時に歌われる過去のナンバーやブルートニックの作品でさえ、なんの違和感なく心地よく聞こえてくるから不思議だ。
二部で披露されたスタンダードのカヴァーはどうだろう?これぞ、今日のトミーさんの気分であり、センスであり、それらでさえ、先のソロアルバムの歌達と見事にコラボレートしているから、聴いているこちらも何だか、嬉しくなってしまう。
気がついたら二時間はあっという間に過ぎてしまった。ここに披露されたトミーワールドに包まれたわけだ。5月にも同会場でライヴが行われるというので、具体的な曲目については伏せておきたい。まさにオールアバウト、トミーであることは間違いなし。
もう一つ、忘れてはならない新しい挑戦。配信だ、しかも生。ご本人が自ら設定などの操作を本番まじかまでおこなっているのにはいささか驚いた。それでも新たな挑戦というのは素晴らしいことで、やり遂げたことは、先のクラブハウスミーティングも含めてその前向きな姿には頭が下がる。
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さて、僕らもまた次の新しい企みをそろそろやろうね、と聞こえたきがした。トミーさんがお別れに笑顔で見送ってくれたことにある確信みたいなものを感じた。面白いことはやはり面白いと思える気の合うメンツがいいに決まっているわけだ。
そんなことをニヤニヤしながら、再び渋谷の街へ、甘い夜風に誘われて、僕らは少し暖かい気持ちになり、遠ざかる我が家へとまたいつものように帰る。