
夏のある日旅のつかのまの東京、程よく離れた溝の口にあるneoneraへ
最近、僕らの世代でよくこんな声をきく、ライヴにはいきたいんだけれど
真夏の野外フェスは辛いな、スタンディングのライヴハウスもきつい、高額チケットの外タレもなんだかなあ、ビルボードやブルーノートは敷居が高いし・・・・
なんだか寂しいけれどこれが僕らの世代の現状じゃないか?僕のように日常からロック音楽を水やパンや、空気のように生活を共にしている人以外は尚更じゃないか
そんな方々にお勧めした場所、ミュージシャンがいる
佐藤奈々子+長田進のライヴだ

なんの遠慮もなく着替えも必要ない、予備知識も要らなきゃ予習も必要なし、だって何が始まるかわからないこの名コンビのライヴには予定調和などない
あるのは真実の音楽と ハートウオームな空気だ
それはアメリカ北部ならウッドストックのベアズヴィルシアター、西海岸ならトルバトゥールあたりに通じる空気がここにはある。
そしてこの日はベースに河原秀夫が加わる。なんて贅沢なんだ

風のようにやってきていつものように囁くように歌う佐藤奈々子。懐かしいナンバーから新曲までこの日はニールヤング・浅川マキからムーンライダースまで幅広いカヴァーも織り交ぜながら時折、思いつきながらのMC
佐藤奈々子の人柄とそれを横で見上げなが微笑む長田進の優しさ
この二人でしか醸し出せない世界観
こんな素敵なジャージーな歌たちをカマンベールをつまみにハートランドを飲みハイボールをいきながらサラミを楽しむ
なんて贅沢な時間なんだ
ゆっくりと椅子に腰掛け彼らと同じ目線で楽しむ世界は・・・・


この夜は二部構成ながらゆっくり休みながらの時間
そしてこの日の長田進、最後に言葉を交わしたのは昨年のふたり会か、DSLか?アコースティックもテレキャスもその歌に寄り添うギターはやはり一流だ
河原のベースが入ると心地よくジャージーな音にギターがまた寄り添う。以前番組ゲストで十代の頃は川崎や横浜のJazzクラブでJazzバンドでプレイしていたと聴いていた。こんなセンスが生かされる現場も今の長田進の立ち位置
浜田省吾や佐野元春・奥田民生・Coccoなどとのセッションではなかなか考えられない
だからこそこのライヴは貴重なのです

あっという間のアンコール、ここでこの日のDJであるライヴのコンポーザーでもあるDJが加わりセッションここでは長田進のギターの引き出しの多さが爆発、
リズムに合わせて時にvelvet undergrandのように時にpink floydのように激しく佐藤奈々子の声も時にjoni Michelleからpatti smithまでNina sheemonからricky lee jonesのようにまさに曲によりシーンの変わるフランス映画を見ているみたいである

森に囲まれた会場を後にした虫の音が心地よいね
駅までの道のりなんだか心が満足した、大変な暑い夏です。音楽の楽しみ方が様々そんな中、こんな楽しみ方もあります。
ぜひ、晩秋にまたこの森へ行ってみてください。彼らの音に笑顔に会いに行ってください
素敵な夜を約束します
