新しいシーナ&ロケッツが我が家に着陸して、ひと月がたった。いまだ、移動中の音楽はヘヴィーローテ。まさに傑作なのだ。多くの人は、彼らのデビュー作は、真空パックで、デビューシングルは、ユーメイドリームで、当時はニューウエイヴバンドだったと勘違いしている人も多いかと思う。
そりゃあ無理もない。それくらいのインパクトは40年以上経った今でも変わらない。そんな日本のロックの歴史に忘れちゃならない作品が今回出てきた待望のデビュー作がこの、#1
まずは音が格段に良い、エルボン盤の音源も荒々しく悪くはない。しかし諸々の事情があり出された当初に比べて鮎川さんご本人の意志に基づいたアルバムに仕上がったことにまずは大拍手だ。内容は是非、聞いてほしいので触れません。
が、涙のハイウェイ、恋はノーノー。というシングルのボーナスがご機嫌だ。改めてこのバンドのロックンロールバンドたる所以がこのデビュー作で証明された。そう、シーナのカウントだけで
monoを先に聴くか迷ったが、やはり気になる、何せ御法度ですから。もう最初からやばいテイクの連続。よくぞ出してくれた。これは差し詰めシーナ&ロケッツvs YMOだ。まさにニューシーナ&ロケッツ前夜という戦いのサウンド、パンクとニューウエイヴ、ロックンロールとテクノの戦い。
ソリッドステイトサヴァイヴァーと真空パックの間で、いや前夜こんなセッションがあったとは。びっくりだ。後半、ユキヒロさんの歌が。これだけでも聴く価値ありなアルバム。
何度も言いますがこれこそがシーナ&ロケッツの正真正銘のデビュー作。と言える。マコちゃんは本当はモノで出したかったんじゃないかな?音の厚みがこれでもかとビートを重ねる。結局、なんども聞き返してしまう。この頃から群を抜いてシーナの歌がいい。まさに他にはないヴォーカルスタイルをこのデビュー作で出来上がってしまった。
それは、デボラハリーであり、パティスミスであり、ある日のロニースペクターであり、我が国日本にはシーナがいる。
ここまでの3つの異なる音源。もちろんこれだけでも大満足なのではあるが、今回はセットで写真集やら、読み物やらコースターなど。まさに愛がたくさん詰まっている。これらの編集は利益至上主義な会社じゃ実現しない。シーナ&ロケッツファミリーだからこそ成し得た仕事ではないだろうか?
昨年の世田谷でのロック葬からなにか胸につかえていたものが今回のファミリーが作り上げた渾身の作品のおかげで取れたようで、なんだかすっきりした気持ちで、またこれからも彼らの音楽やライヴに向き合える気がしてきた。
5月2日には恒例のライブが今年も行われるようである。きっと来年も